103号室<ちびメッサーくんの部屋>
■はじめに
『メッサーシュミットKR200』のレプリカとしては、現在では英国のキットカーメーカー、トライテック社の「シュミットKR」が一般的には有名です。
しかし、実は国内でもすでに1985年5月に愛知県の『F1クリエート』という会社が販売した、FRP製セミ・レプリカ(全幅と全高、フロント・トレッドは同じですが、1人乗りの為に全長が34cmほど短く、2サイクル49ccエンジンが搭載された原付きミニカー)の「MESSER・KR-50・KABRIO」という物が存在しておりました。
(F1クリエートはKR50の販売の前に「クラブマン7」というスーパー・セブンの原付きミニカーを販売していたことでも有名です。)
当時、KR50の設計製造はレーシングカーや特装車の設計製作を得意とされておられる岐阜のSRSシノダレーシングショップが担当し、100台が生産されたそうです。外装、内装はもちろん、2サイクルエンジンを逆回転してバックする所まで同じ…というかなりのこだわりを持って作らた車両です。
以下は発売当時のカタログです。
しかしF1クリエートの経営不振のため、結局は25台程が販売された時点で販売終了となり、売れ残った未完成車75台はすべてスクラップ処理されたのだとか…。販売価格が当時125万円だったとかで…ムリもないかもしれませんネ。
(特注品のフロントガラスは25万程もかかっていたので密かに某倉庫で保管されていたそうですが、台風で倉庫が倒壊した際に全て破損したとか…。もったいない話です(^^;)
ある意味KR50のほうが…KR200やシュミットKRよりも…稀少価値があるかもしれませんネ。
私が本物のKR50を見たのは、兵庫県のIさんが当時京都の某百貨店の店頭で展示販売されていたのを購入した…という赤色のKR50でした。(元はピンク色だったとか)
■出会い「なんだか変〜ん?」
「いつかはKR50を入手したい…」とあちこちを探していたところ、たまたまお知り合いの某業界人Tさんがレストア途中だったものを譲って下さる事になり、2005年10月23日に積車に積まれて我が家にやってきました。
我が家にやってきた時にはFRP補修と塗装(迷彩色)が完了した状態で、外観の状態はまずまずでした。しかし…なんとメッサーに特徴的な『バーハンドル』が丸ハンドルに交換されていました。さらによく観察するとステアリングコラムやステアリングバー等が「器用」に軽自動車の物とまるごと交換された状態でした。
「ハンドルぐ〜るぐる…」なんて、こんなのメッサーじゃ無〜い(^^;;;
(後に、Tさんに売りつけた某販売店オーナーの仕業であることが判明。)
■レストア開始
KR50を設計製作したSRSさんとは、以前にもメッサーシュミットの部品でお世話になっていました。さっそくKR50の状態を伝えて、ハンドルコラムや前足回りの部品の在庫を確認したところ快く対応してくださり、在庫の無い物はあらたに製作して下さいました。おかげで、元の状態に戻すことが出来ました。
ついでにホイールの錆び落としと塗装を行い、へたったタイヤも交換しました。
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| 取り外した改造ステアリングと取り寄せた正規ステアリング |
正規ステアリングに戻した状態 |
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| 修復の終わった前輪廻り |
メッサーのコックピットらしく変身! |
とりあえず「なんだか変〜ん」な状態は解決しました(^^;
■ばっちい色??
ところで、みなさんは「メッサーシュミット」と聞いて何を思いうかべられますか〜?
戦闘機ファンなら真っ先に迷彩色の「ドイツの戦闘機」を思い浮かべられる方が多いかと思います。(なにを隠そうこの私でさえ、以前はそれしか思い浮かびませんでしたので…ハイ(^^;)
私の元にやってきた「ちびメッサー」のKR50の外観は…ぱっと見はまるで遊園地にある子供用の遊具のようになってました。
前オーナーのTさんによれば…元ネタはなんとハセガワのプラモデルだったのだとか〜(^^;(探してみると…車内にちゃんとプラモデルも入っていました。)
このプラモデルの箱絵と見比べると…なかなか面白いです。
ボディーの底はアルミ製ですので錆びはあまりきてませんでしたが、足廻りは鉄製ですのでけっこう錆びがあり、しっかりと防錆処理を施しておきました。
ガソリンタンクやキャブレターの掃除、配線の修復、バッテリーの交換…等で2スト50ccエンジンは簡単に目覚めました。スイッチの切り替えでエンジンの逆回転もスムーズです。
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後部フレームにはホンダ・フラッシュの空冷単気筒2スト49cc5HPエンジンが搭載されています。
本物のKR200と同じ2ストエンジンですので、スイッチの切り替えでセルを逆回転させてエンジンを逆発動させることにより、バックすることも出来ます。ミッションがオートマチックである点が…唯一の相違点でしょうか。 |
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一応走れる状態になりました。本物のKR200と同じようにバンパーやモールを装着しても良いのですが、この外観には似合わないように思えたので、あえて付けていません。
ところで…「ちびメッサーくん」が初めて家にやってきたとき、妻と娘が一目見るなり口を揃えて言った言葉が「なにこれ〜、ばっちぃ色!」「まともな色に塗り替えてネ〜!」でした(^^;
う〜ん、迷彩色は本来「隠す」ことや「誤認させる」ことが目的なんだから確かに奇麗な色ではないです。でも戦闘機好きにはたまらなかったりします。私も迷彩色は嫌いなほうではないのですが、さすがにこうもケッチョンケチョンに言われると…(^^;;
でも、良く良く観察すると…外装は意外と丁寧な塗装が施されてあるんです。おそらくTさんはこの迷彩色メッサーでどこかのイベントに繰り出して…皆さんをおどろかせようと密かに考えていたはず(^^)
譲り受けたクルマをどう調理しようが私の自由なのですが…Tさんのファンでもある私としては本当に悩み所でした。このままの状態で仕上げてみたいのもヤマヤマ、妻達が言うマトモ(?)な色に塗り替えたいのもヤマヤマ…。
それともう一つ気になっていた事が…海外、特に欧州でのこういった迷彩色を施した乗り物に対する反応でした。戦前のそれも敗戦国の戦闘機を意識して塗装した乗り物を、公開した際にいったいどういった評価が寄せられるのか…という心配でした。(以前に、鍵十字の紋章を付けたナチ制服のコスプレとかが海外では随分と問題になったぐらいですし…)
う〜ん、どうしたもんなんだろう。
実は、今回ちびメッサーくんのレストアがなかなか進まなかったのには、こういった心の葛藤もあったからなんです。これって、私の考え過ぎなのでしょうか?
本物に施されていた「ナチの鍵十字」とかのマーキングが無ければ、良いような気もするのですが…どうなんでしょうね?
■後日談…
実はこの記事は昨年12月にmixi上の日記でも公開しました。
その際に「迷彩色塗装」については、お友だちから数々のコメントを頂きました。
「マイクロカーたちは平和の象徴とも言える乗り物なので、迷彩色など戦争をイメージさせるカラーを塗るのはどうだか…。」という意見もあれば 「シンプルに、 気に入っていればそれでいいのでは?」という意見もありました。
いろいろ考えたあげくミニカーコレクションの1台(でっかいな〜(^^;)として「迷彩ちびメッサー」はこのままの状態でメッサー二段ベットの上に大切に飾っておくことにしました。
(何かのイベントの際に…皆さんの前に現われるかもしれませんヨ(^^))